2005/03/31

子どもと裏山で遊ぶ

昨日は久しぶりに一日家にいたので、こどもたちと丸一日そと遊びをしました。パパが出張でいないので、二人は当然私にベタベタしてきます。こういうときは仕事にならないので、たまりにたまっている書類の山を横目に、思い切って外に出かけます。

最初は、平飼いの有精卵卵を買いに田畑さんの家へ。田畑さんは日本の綿を復活させようと日本綿を育て、チャルカで糸を紡ぎ、布を織り、服をしたて、布団を作り、と、まあいろいろな活動をしています。衣食住の自給を提唱し、実践しながらめざしているのは、私たちが「医」食住の自給を目指しているのと共通点があります。今年は、我が家でも日本綿の栽培にチャレンジして、ゆくゆくは自分たちの寝具を創るのが夢です。

田畑さんの家まで我が家からはおよそ片道1-2キロぐらいでしょうか。上り坂をずっといくので、3歳のまなぶはすぐ音を上げます。それでもなだめすかして、なんとか往復歩かせました。途中でつくしをとったり、すいばをしゃぶったり、楽しい散歩。寄り道をしながら往復2時間ぐらいかかってしまった。

もどってきたら、今度は裏山へ。冬の間ここで留守番をしてくれたアコくんが、裏山を歩けるように手を入れてくれていたのです。裏山にはお地蔵さまや、かつてここに住んだ人たちがあがめていたと思われる祠が埋もれていました。子どもたちと一緒にご挨拶。そしてこの山の一番高いところにある巨石まで、道なき道をかきわけ、険しい道を上りました。そこからの眺めは絶景。峰岡山系の谷間が眺望できます。

帰りは私たちの毎日使う水がためられている水源を回って降りてきました。先日、ニュージーランドで訪れたフィティアンガの「まことハウス」(合気道場)の周辺にも滝や川を渡る素敵な遊歩道があって、お客さんが歩けるように整備されていて、大変楽しかったのを思い出しました。我が家にも遊歩道を整備しよう。こんな近くにこんな楽しい場所があったなんて!アコくん、ありがとう。これからは子どもたちを連れて、あちこち探検し、隠れ家を作ったり、ターザンの真似ができるような遊具を作ったりしていくつもり。子どもになりたい方は、一緒にやりましょう!

それにしても、私ももう年をとったせいなのか、今日は全身筋肉痛。昨日は山や崖をよじ登ったり、降りたり、ずいぶん運動したんですね。朝起きるのがつらかったです。今日はこれから久しぶりに上の子どもたちに会いにいきます。

2005/03/29

今日のうちのごはん

とてもおいしかったので、ごはんのことを。春はまだ畑に野菜はないのだけれど、いろいろな野草があるからね。どれもそれぞれの味で、おいしい。

今日は玄ちゃんが札幌に出張でいなかったので、こどもたちと畑で遊びました。本当は私も行くことになっていたのだけど、子どもたちを置いていくのがかわいそうになって、ドタキャン。それでよかった、と今は思っています。

畑はまだ春野菜も夏野菜もまだまだですが、野草はいろいろ。最初はからすのえんどうをどっさり。これはくせがないので、湯がいて白ゴマとお豆腐で白和えに。子どもたちもよく食べたよ。それからいろいろな野菜の菜花。これはてんぷらに。塩で食べるのが通。それから春菊も少しだけ残っていたので、これもてんぷら。野菜をあまり好きじゃないマナブが今日はこれを一人で食べてしまった。おせんべいみたいで、ぱりぱりおいしいものね。

そして、子どもたちが夢中になったのは、つくしとり。あとからあとから見つけてはきゃーきゃー言ってとりました。つくしはとってからのハカマ取りが大変。これもみんなでやりました。ごま油で炒めて、しょうゆで味付けて、ゴマを振って、簡単つくしのきんぴら。これもおいしくて、みんな食べちゃった。それからおもしろいのが、葱坊主。これをはさみで切ると、またわき芽が出てくるので、全部切ってしまうの(ねぎの赤ちゃんのいのちを奪っているようでちょっとかわいそう、と思ったが)です。これもそのままてんぷらに。普段はあんまり野菜は食べないこどもたちも、てんぷらは食べるから。

そして子どもたちにはまだ難しかったのがノビル取り。途中で切れちゃうからね。あの白い玉をうまく抜くには、コツがいります。これはみそでそのままいただく。沖縄の「島ラッキョウ」のようにね。葉の柔らかい部分はみじんぎりにして、ビンにいっぱい詰めて、ごま油と梅酢としょうゆを入れて保存します。このソースは2-3日後から10日間ぐらいおいしく食べられます。中華や餃子など、いろいろ使えます。

あとは鴨川産の飛び切りおいしい「菜の花どうふ」を揚げだし豆腐にして、春キャベツとわかめのお味噌汁とごはん。そして大根と大根葉の浅漬け。ねぎたっぷりの納豆は毎日欠かせません。畑の恵みでこんなに豊かな食卓が準備できるのは、ほんとうにありがたいです。沖縄で毎日スーパー(と自然食品店)に通ったときは、野菜もその他いろいろな食材も高くて、驚いてしまいました。全部無農薬でそろえると、本当に高額で大変(だったので、途中で断念)!ここの暮らしでは殆ど日々の食べ物にお金を使わないからね。うちのスーパーは無農薬の庭(オーガニックガーデン)なのです。

我が家では食事のたびに歌う歌(お祈り)があります。畑で働いたこどもたちも、今日はちゃんと歌いました。「太陽と大地と海の恵みに感謝して いただきます」というごく短いもの。今日みたいなごはんだと、本当にその言葉の通り、つくづくありがたく思うのです。
ここは天国。かみさま、ありがとう。

2005/03/28

アリエルダイナーでゆかりさんとベイビーに再会

今日は登戸にあるオーガニックレストラン「アリエルダイナー」で、ジル・ジョーダン(オーストラリアのマレーニーという淋しかった田舎町を素敵なコミュニティーに再生した張本人)の来日トークが行われました。通訳として同行しているデジャーディン・ゆかりさんは私の「オーガニックシスター」であり、私の人生で一番大変なときを共に過ごしてくれた大切な友人です。彼女の3人目の赤ちゃんのファビアン君のベビーシッターをするために、出かけてきました。

会場は満員で立ち見状態。あれでも50人以上断らなければならなかった、とオーナーのあべさんから聞きました。どうせ企画するなら、そういうイベントを企画したいな。あべさん、お見事。そしてマレーニーの魅力をいち早く日本に紹介したさやまゆりさんに感謝。今日はひさしぶりに、ゆりさんにもお会いしました(私たちの最新刊『ハーモニクスライフ』の表紙の写真を撮ってくれた写真家です)。www.arieldiner.com

アリエルダイナー GIF

今日のトークの中のキーワードは、パーマカルチャー、生活協同組合、地域通貨、市民バンク、オーガニックフード、環境に優しい建築、コンポストトイレ、自給自足、オルターナティブ教育・・・・どれをとっても、私の今の暮らしと関係あることばかりでした。ごはんもおいしかったし、楽しかったー。

ファビアンは生後6ヶ月で、自宅で生まれ、母乳だけで育っている超健康優良児。ずっしりと重たくて、まん丸の顔がいつも笑っている福福しい赤ちゃんです。今年1月にゆかりさんの家を訪れたときに、すっかり彼の笑顔に魅せられてしまい、今日は往復7時間の旅をして(送り迎えをしてくれた玄さん、こどもたちおつかれさまでした)きました。もう自分は赤ちゃんを産むことはないので、これからはどんどんベビーシッターをさせてもらおうと思います。

といっても、我が家の二人も3歳と4歳で、まだまだ手がかかります。今はアコ君がいてくれるからとても助けられていますが、彼がいなかったら、何もできないぐらい大変。4月4日から保育園が始まるのが待ち遠しいです。箱いっぱいの書類の山、仕事のリクエストの山、旅行の荷物でごったごたの我が家を見て、ため息をついています。

そうそう、アリエルダイナーでは東京平和映画祭のフライヤーも配らせてもらったら、チケットが7枚も売れました。うれしいおまけです。4月16日は800席(ぐらい?)を満席にして、東京平和映画祭のために来日するリー・ハーシュ監督をはじめ、上映作品のすべての監督、参加者、ブースへの出展者、スタッフ全員が喜ぶような映画祭にしたいです。それには、できることを日々重ねていかないと。前回のブログを書いたときがどん底なら、上がるのはまだこれからです。

ジルが教えてくれたこと。
1、小さく始めて大きく育てる(赤ちゃんと同じね)
2、意見の違いはそのグループを成長させる
3、多数決よりも、グループのひとりひとりの意見を聞いて、決定する
4、マーガレットミードが言ったことは本当。
5、何かを始める人は母親の役割。独り立ちできるまで、ビジョンを与え、サポートし、見守る。そして独り立ちできるようになったら、離れる(これも子育てと同じね)。

隣の部屋で赤ちゃんのお世話をしながらだったから、全部はちゃんと聞けていないけれど。本当に素敵な女性に出会えて、感謝。彼女は私の仕事にとても関心を持ってくれたので『テロリストは誰?』と『911ボーイングを捜せ』のDVDをプレゼントしました。マレーニーのコミュニティーでもこの作品が上映されるといいな。

2005/03/26

前言撤回。反省。初心にかえれ

このタイトルは私自身に。昨晩行われた東京平和映画祭のプレイベント(300人の会場)に来てくれたのはスタッフを合わせても30名程度でしたでしょうか。記者会見に来てくれた新聞社・テレビはゼロ。雑誌社1社、ネットテレビ1社。

せっかくアボンの監督まで来てくれたのに、申し訳なかった。甘かった。広報もできていなかったし、丁寧な対応にとことん欠けていました。こんなこと(会場がらがらのイベントを主催したこと)は初めて、かな。

まあ、プレイベントをやらなかったら、このまま本番(4月16日まであと少し)を迎えて、大変なことになっていた、と思うと、ここで気づかせてもらったことに感謝ですね。

これを読んでくださる方にいくつかお願いがあります。
1、フライヤー(ちらし)をお友達に配っていただけないでしょうか。10枚程度からお送りします。
2、チケットを預かってもらえないでしょうか?1枚から。
3、あなたの参加しているNGOの通信が発送されるときに、フライヤーを同封させてもらえないでしょうか?
4、東京平和映画祭のことをメールで知らせてくださいませんか
www.peacefilm.net

Peace Film Net gif

1-3にひとつでも当てはまる方は、メールでも電話でも結構ですので、ご一報ください。
初心に戻ろう。ひとり、ひとりに丁寧にこの映画祭の魅力を伝えなくっちゃ。
第2回東京平和映画祭で上映される6本の映画たち:
1、苦い涙の大地から
2、教えられなかった戦争ー沖縄編
3、影の政府・憲法の危機(『テロリストは誰?』より)
4、911ボーイングを捜せ
5、アボンー小さな家
6、アマンドラ

私のメルアド: yumik@fine.ocn.ne.jp
電話番号:0470-97-1011

昨日来てくださった全ての方にありがとうございます。本当に貴重な体験でした。
反省と大いなる感謝と。

2005/03/23

東京平和映画祭プレイベント入場無料

4月16日開催の東京平和映画祭がまもなくやってきます。3月25日には記者会見とプレイベントもあります。そこで発表される今回上映される映画について、紹介します。どの映画もすばらしいですね、こう並べて見ると。みなさん、チケットは売り切れないうちに、お早めに入手してください。昨年は満員御礼でした。このラインアップでは、今年もきっと満員になると思いますよ。入手方法はここから:www.peacefilm.net

*確実な郵便振替:東京平和映画祭 00140-7-648099
*1枚につき、2500円をお振込みください(通信欄に枚数記入のこと)。

以下は、6本の映画の解説。この映画を全部1日で観られるなんて、とてもお得な企画だと思いませんか?

第2回東京平和映画祭で上映される6本の素敵な映画たち:

1、 苦い涙の大地から 
小見出し:27歳のリウ・ミンの涙はとまらなかった

2003年夏、中国のハルピンで出会ったリウ・ミンという27歳の女性は、父親を1995年に日本軍の遺棄した砲弾で亡くして以来、笑うことを忘れていた。父の治療のために家を売り、それでも残った莫大な治療費の借金を返すために休みなく働いていた。優しい父親を失って、貧乏のどん底に突き落とされた幸せな家族。教師になりたかった彼女、そして獣医になりたかった弟の夢も永遠に奪われた。それも平和な時代に突然に。その後、10ヶ月間かけて取材した60人の証言と記録は、60年前の戦争の被害が今も続いてくることを教えてくれる。中国の大地には今も日本が棄てた兵器が眠り続けている。かつての戦争の置き土産で、平和な時代に傷つけられ、命を落とす人々。彼らの声に耳を傾けてください。

2、 教えられなかった戦争・沖縄編―阿波根昌鴻・伊江島のたたかい
小見出し:日本のガンジー、阿波根昌鴻さんの生き様

太平洋戦争の激戦地となり、民間人にも多数の死者を出した沖縄の近・現代史についての長編記録映画。1903年に沖縄本島北部の本部(もとぶ)に生まれた平和運動家・阿波根昌鴻さんを語り部として、近代から、江戸幕府、日本政府、太平洋戦争後はアメリカに搾取されてきた沖縄の虐げられた歴史が語られる。多くの人々の証言や当時の写真が、知られざる沖縄の姿を浮き彫りにする。「わしらの平和運動は沖縄から基地をなくしても終わらない。平和憲法を世界中に広め、地球上から武器も戦争もなくしてしまう」「土地は魔法使い。同じ土にいろんな種をまくといろんな命を育ててくれる。命を育む土地を人殺しの練習のためには使わせない」阿波根さんの言葉は、平和を愛する人々の支えになっている。

3、 影の政府 憲法の危機
小見出し:永久戦争国家と民主主義は両立するのか

1947 年、トルーマン大統領が署名した国家安全保障法が、米国の方向を劇的に変えた。この法律がCIAを作り、憲法の草案者たちがまさに恐れていたノーチェックの権力機構を生んだ。「何でもあり」の冷戦のルールが決まり、テロや暗殺、政権転覆、暴徒、危機のでっちあげなどが繰り返される。1953年・イランのモサデグ政権の転覆、1954年・グアテマラのアルベンス大統領の追放、キューバへの複数の侵攻とカストロ大統領暗殺未遂、1968年・ベトナム戦争。 1941年以来、米国議会は一度も宣戦布告をしていない。朝鮮では「警察行動」、ベトナムでは「顧問」、中米では「秘密作戦」、レバノンでは「平和維持」、アンゴラからカンボジアまでは「低強度紛争」。アメリカの戦争権限は得体の知れない誰かが握っている。

4、 911 ボーイングを捜せ 航空機は証言する
小見出し:911は世界を変えた このビデオは911を変える

米ミズーリー州にある小さなラジオ局が制作した作品が、今や全米を揺るがそうとしている。3千人の犠牲者を出した2001年9月11日の同時多発テロは、現在でも19人のアラブ人テロリストの犯行とされ、以来「対テロ戦争」の火蓋が切って落とされた。米英軍の攻撃を受けたアフガニスタン、イラクでは数万人の一般犠牲者が出ており、その数は増える一方。ところが映像は次のような疑問を投げかける:ペンタゴンに突っ込んだのは本当にボーイング757型機だったのか、世界貿易センタービルに激突した飛行機の下部についている物体は何か、激突の直前に走る小さな閃光は何か、世界貿易センター第7番ビルはなぜ崩壊したのか―。制作者は結論を出さないが、米国政府の911事件への関与を疑わせる問題作。

5、 アボン・小さい家 ~地球で生きるために~
小見出し:フィリピンのおとぎ話のような現代の物語

豊かな生活を求めて、ルソン島北部から大都会のバギオへ出てきた日系フィリピン人三世・ハポンはジープニーの運転手をしながら、高級住宅地に家を買うことを夢見みている。ある日、外国へ出稼ぎに行こうとした妻が不法斡旋業者の偽造パスポートで逮捕され、その保釈金のために多額の借金を抱え込む。やむなく祖母の故郷の村へ戻るが、そこの暮らしは豊かな自然に恵まれ、お金もいらない自給自足的な暮らし。ハポンは徐々に、こここそが家族の生きていく本当の場所だと悟る。小さな湧き水がやがて沢となり、山全体を映し出す。昔のままの山岳民族の暮らし、村の風景、森の美しさや自然界の生き物と多様性がこの映画の物語を豊かに彩る。現代の私たちが忘れてしまった大切なものがここにある。

6、 アマンドラ~希望の歌
小見出し:世界初の「歌」が成し遂げた南アの革命。

南アフリカ共和国のアパルトヘイト政策(合法的人種隔離政策)の誕生から終焉までを、抵抗運動の中で歌われた音楽という切り口でたどったドキュメンタリー。南ア人口の大多数を占める黒人たちは、政治権力と武力を独占する政府に圧迫される中で、数々の歌を作って政治家たちを挑発し、自らを鼓舞していた。この当時の南アでは、黒人ソングライターはそのまま政治運動家でもあった。ミュージシャンたちは捕らえられ、投獄され、拷問され、殺された。一度は挫折したように見えた運動が、ジンバブエから持ち込んだ 「トイトイ」という激しい歌と踊りで息を吹き返し、ついには白人支配を覆す革命を成し遂げる。南アの革命は世界で初めて歌と踊りが成し遂げた革命だ」と語る運動家の言葉に魂が震える。

入場無料のプレイベントにもぜひいらしてください!

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◎●アースデイTokyo2005関連企画~「第2回東京平和映画祭」!●◎
◆□◆□◆「第2回東京平和映画祭」プレイベント開催◆□◆□◆
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◆日 時:3月25日(金)開場18:10~ 18:30~21:00
◆場 所:国立オリンピック記念青少年センター
     センター棟417号室
 (会場は「日本自立プロジェクト」で取っております。)
◆参加費:>>>無 料<<<(カンパ歓迎)
◆内 容:<記者会見>18:30~19:35
 ●第2回東京平和映画祭全体説明
 プロデューサー:きくちゆみ
 ●各監督による映画の紹介
 「にがい涙の大地から」=海南監督
 「教えられなかった戦争~沖縄編」=高岩監督(未定)
 「憲法の危機ー陰の政府」=日本語版プロデューサー:きくちゆみ
 「911ボーイングを探せ!」
 「アボン・小さい家~地球で生きるために~」=今泉監督
 「AMAND0LA!アマンドラ!希望の歌」(未定)
      休     憩
 <ゲストコーナー>19:40~21:00         
 「9.11事件の真相究明」 成沢宗男(週刊金曜日)
 「パレスチナ」1コマサポーター 森沢典子
 監督全員と成沢、森沢さんに質問コーナー

~21:00 終了予定
●尚、開始から終了後も...第2回東京平和映画祭の前売券他
 映画のビデオ・DVDや各種書籍販売などを行っております。

●>>>「第2回東京平和映画祭」テーマソング♪決定!<<<
       曲名:「W・H・Y」♪/アーチスト:“Katsura”
         http://katsura.exblog.jp/
 *NEW CD発売は4/16当日ですが、プレイベントで!
  出来立てホヤホヤのマスタリングしたCDをかけます。

●問合せ先:東京平和映画祭実行委員会事務局/担当:浅野
      E-mail: info@peacefilm.net
      TEL:0479-62-1582/FAX:0479-62-1327

2005/03/22

雪の札幌から

なんて月日の経つのは早いのかしら。このブログは日記のつもりではじめたけど、やっぱり私には無理。前回書いたときからもう10日も経っている。今は札幌のホテルにいます。あれから沖縄を18日に発ち、大阪と神戸と東京と静岡で講演をして、やっと鴨川の我が家にたどり着いたのが昨晩。そして今日はもう会議があって札幌まで来ています。まだ雪がうっすら積もっていて、夜景がとてもきれい。沖縄もかなり寒かったので、札幌の寒さがそれほど気になりません。

昨日は平塚らいてふの会とBeGOOD Cafe静岡の2箇所で話をしたのだけど、テーマがぜんぜん違っていて、前者は平和をテーマに、後者はスローライフ(私の暮らしのどこがスローなの、という野次が飛んできそう^^;)についてでした。後者では写真家のさやまゆりさんが撮ってくれた美しいスライドをふんだんに使いながら、私たちの農的ライフについてお伝えしました。

BeGood Cafe jpg

こんな自給的な暮らしから生まれた作品が、NYタイムズやワシントンポストへの新聞広告であり、『戦争中毒』の本、ドキュメンタリー映画の『テロリストは誰?』や『911ボーイングを捜せ』なのです。その両者のギャップに悩む人は悩むんだけど、私の中ではどちらも「いのちを大切にする」という行為なのです。

私は自分の家族にも訪ねてくる友人たちにも、おいしくて体に良いものを食べて欲しいので、食材は自家製の無農薬で育てた野菜や米を使います。それを無添加の調味料で料理してお出ししています。そういうものを食べていると、病気とはほぼ無縁になります。病気や悩みを抱えてここに来た人も、我が家に滞在して帰る頃には顔色も良くなり、だいぶ元気になっていることが多いのです。

そういう当たり前の暮らしを戦争は根本から破壊してしまいます。最近の戦争では劣化ウラン弾が使われていますので、戦争が終わってもその地域は低レベルの放射能汚染が残ります。劣化ウランの主成分はウラン238ですが、これは半減期が45億年あり、アルファー線を出しますので飲食や呼吸によって体内に取り込まれると周りの細胞を癌化させたり、白血病を引き起こしたりします。細胞分裂の盛んな胎児や乳幼児ほど危険です。

そんなわけで、イラクでは重度の障害を持って生まれてくる子ども、そしてまもなく死んでしまう子どもが急増しています。大人たちの癌も急増しています。彼らはテロリストでもなんでもない、ただイラクに住んでいるというだけで、このような目にあっているのです。これは人類に対する犯罪です。そんなアメリカのイラクに対する戦争と占領に日本の自衛隊が参加していることがたまらないです。

私の友人には戦争が始まる前からイラクで活動してきた人たちが複数いますが、もう彼らは日本人である、ということを言えなくなってしまった(以前は日本人であるだけで歓迎された)、と言っています。サマーワの自衛隊の行動に対してはイラク人からも賛否両論がありますが、自衛隊が何をしているかよりも、日本がアメリカの根拠のない対テロ戦争を支持していることが問題なのです。

ブッシュ大統領は「私たちの側につくのか、テロリストの側につくのか、世界のすべての国は決定しなくてはならない」といいました。私はブッシュさんのやり方にはとても賛成できないので、ブッシュ大統領から見るとテロリストということになってしまいます。でも、イラクで慎ましく日常を送ってきた人々にとっては、空から爆弾を降らし、放射能で国土を永遠に汚しているアメリカこそがテロリストです。

私は『911ボーイングを捜せ』という映画をなるべく多くの人に観て欲しいと思っていますが、あの911事件がたとえ米国政府の発表どおり、テロリストの仕業だったとしても、対テロ戦争には反対です。テロに対して戦争はまったく逆効果だからです。テロをなくすには、絶望的貧困にあえぐ人々が心豊かに生きていけるようにする以外、解決法はないでしょう?

爆弾を落として、町を家を破壊して人々を殺して、孤児を作り、子どもを失って悲しみから立ち上がれない人々を量産し、さらに大地を永遠に汚染することがテロ解決に貢献するわけがありません。

静岡のBeGood Cafeでは私がアネモネという雑誌に書いた「平和な地球を創造する9つの具体的方法」というのを分かち合ったのですが、参加者からこれをネットで読みたい、というリクエストがありましたので、ここにアップしますね。もしできるのがありましたら、ぜひやってみてください。

きくちゆみの「平和な地球を創る9つの具体的提案 www.peace2001.org
1.日本人の銀行貯金は、日銀を通じて米国債(アメリカの戦争資金になる)に投資されてしまうので、貯金を下ろして自然エネルギー事業に投資しよう。投資先がないなら、地元で自然エネルギー事業を興そう。それも無理ならひとまず「ろうきん」(米国債へ流れていない)へ預けよう。
*貯金は未来バンクへ。自然エネルギー市民ハンドについては:www.greenfund.jp
2.石油のために戦争するなら、私たちは脱石油、脱石油製品。石油に頼らなくなれば、戦争が遠のく。少し減らすだけでもいい。牧野裕子著『楽して得して徳して楽しく暮らそう』(ひだまり出版、350円)が良い参考書。温暖化防止にもなり、髪も肌も家も地球もきれいになる。
3.テレビや新聞では得られない情報源を持とう。ネットならTUP、グローバルピースキャンペーン、ワールド・ピース・ナウなど、いい情報がたくさんある。ネットにつながってない方は『週刊金曜日』『DAYS JAPAN』『人間家族』『自然と人間』『岩波・世界』などを購読しよう。
4.真実を知って周りの人に「伝えよう」、周りの人と「つながろう」、あきらめずに「続けよう」。  
5.選挙に行こう。投票したい人がいないなら、投票したい人を立てよう。
6.食べ物を育てよう。庭がないならプランターで。週末援農や市民農園もいい。1%でもいいから自給しよう。キューバは都市農園でなんと7割の野菜を自給している。
7.映画集『テロリストは誰?』の自主上映会をしよう。価値観変わります、この映画集。
8.いい記事・番組は電話やはがきで応援。へんな発言には「おかしい」と一言。テレビの前でぶつぶつ言うより、マスコミにちゃんと意見を伝えるのがとても大事。
9.いいアイデアはどんどん分かち合おう。どれか一つでいいからやってみよう。

2005/03/12

夜のコザへいってきました

金曜日の夜、コザの街へ出かけてきました。沖縄にきて一番やりたかったことをするためです。それは「911 In Plane Site」のビデオとDVDを米兵に渡すこと。最初はどこにいったらいいのかわかりませんでしたが、しばらく歩いていたら、いました、いました。あきらかに米兵とわかる若者たちが。

最初に入ったのはアイリッシュパブ。中には日本人は殆どいなくて、米兵とその家族、アメリカ人英語教師などでいっぱいでした。アイリッシュ・コーヒーを頼んで(うちの子どもも一緒です)、隣のテーブルのグループに話しかけます。それからビデオを取り出して「アメリカの新しい映画よ。差し上げますので見てください」と渡します。

それから反対側のグループにも1本。こちらは髪の毛が長かったので、兵士たちではなかったと思います。それから、刺青をしたGIカットのグループは米兵たち。おもしろいから見てね、といってテープを渡すと「ポルノかい?」と聞かれたので、私はにっこり笑って「ポルノよりもっとおもしろいわよ」と言って、その店を出ました。

911 In Plane Site GIF

それから通りを歩いていた数組にも渡して、焼き鳥屋ではロブという黒人と話し込みました。海兵隊だ、というので「それは一番タフな仕事ね」と話しかけると「そうでもないさ」「イラクへいくの?」「もう行って帰ってきたよ」「そう。あなたが生きていてよかった」。そんなやり取りの後、別れるときにDVDを渡しました。大きな綺麗な目のまだあどけない青年でした。

ブッシュ政権になって兵士の給料はあがったから、俺たちにとってはブッシュはグッドだ、とも言っていました。複雑な気持ちでした。一方で復員兵への手当てが減らされ、傷病兵に関する情報は隠蔽され、劣化ウランで健康を失った人への補償はないことを知っていましたので。

こんなに若い彼らが、まったく理由のない戦争に駆り出され、武器を持たされて破壊と人殺しをさせられていることが理不尽でなりません。アメリカは志願兵ではありますけど、有色人種やヒスパニックが多いです。どちらかといえば経済的に恵まれない人々が兵役につきやすいのです。豊かな家庭の子どもたちは兵役に志願などしません。それは『戦争中毒』や『華氏911』にも描かれています。

米兵たちがナイトクラブの前でたくさんたむろしていました。そこでビデオを取り出すと、なぜかポルノ映画と誤解されてしまい、あっという間に大きな人だかり。兵士たちにぐるりと取り囲まれて、「君が出ているのかい?」と米兵たちに次々抱きつかれてしまいました。「残念ながらポルノじゃないの。でもドキュメンタリーでポルノよりもっと面白いから見てね」と言って、集まった全員に1本1本ビデオを渡しました。喜んで受け取ってくれたので、ホッとしました。

家に戻るともう12時。週末のコザなら、あっという間にビデオがなくなります。日曜日はビーチロックハウスというところで、残りわずかのDVDを配ります。

明日は朝10時から辺野古で上映会があり、午後からは首里公民館でも2時から上映会があります。どちらも無料ですから、沖縄在住の方はぜひお出かけください。沖縄滞在もあと1週間を切ったけど、こんなにひっぱりだこになることは予想もしていませんでした。まだまだここでできることがあります。やりたいことがあります。

東京に住んでいる友人から、今日の毎日新聞に私の記事が掲載されている、と聞きました。まだ見てないけれど、米兵にDVDを配っていることが紹介されたようです。はい、確かに配っていますし、順調にいっています。『911ボーイングを捜せ』を見た兵士がひとりでも多く、アメリカ政府のウソに気づいて、転身してくれることを祈りながら。どうか生きて、殺さないで、殺されないで。

この映画を広げることが、911事件をきっかけにはじまった「対テロ戦争」に終止符を打つことを信じて、毎日上映活動に奔走しています。

2005/03/10

東京大空襲から60年

3月10日。60年前の今日、真夜中の0:07~2時間半の間にに、東京下町を中心に10万人も焼夷弾で焼き殺された東京大空襲の日。私の父はそのときの生き残り。死体だらけの川を泳いで渡って、なんとか生き延びたときのことを何度か話してくれたことがあります。もう二度と戦争はいやだ、が口癖だったな。その父も亡くなり、当時やはり東京から疎開していた母も今は入院中。あまり親子で戦争の話はしません。でも母は私がやっていることは理解してくれていて、「『戦争中毒』が売れてよかったね」なんてときどき言ってくれます。15年前、米銀を辞めるときは猛反対した母だったけれど。

今日から9月11日まで全国各地で「ピースリレー」が展開します。私も参加者の一人として、映画『911ボーイングを捜せ』をリレーして全国各地を歩きます。どこにいても、誰でも参加できるピースリレーについてはこちらから:
PEACE RELAY/ピースリレー 100本の道 : www.peacerelay.net

Peace Relay JPG

今、沖縄にいてなんともいえない悲しみを感じています。今日はおもろまち(「おもろ」は神の歌、という意味の沖縄の言葉)というところに、千葉県知事選挙の不在者投票をしに行ってきたのですが、そこはかつて米軍住宅だった広大な敷地です。そこに那覇の新都心か建設され、新しいマンションやショッピングモールなどの開発ラッシュで、どんどんコンクリートの塊がアメーバーのように増殖していっています。沖縄には豊かな森があったでしょう。豊かな海があったでしょう。でも今はコンクリートジャングル。那覇は大都会で緑が少ないです。渋滞と車の排気ガスが酷くて私の住んでいる首里のあたりでは、歩いていると息が苦しい。東京の環七沿いに住んでいたときも、こんなに空気は悪くなかったかも。本当に朝早くから夜まで一日中渋滞していますから。

公共工事にみんなが群がって、なんとか仕事をもらって生きている、でも他にどうすればいいんだ、というような・・・・それが痛々しくて、悲しみを感じます。アメリカが第三世界に対してやってきたことを、日本はこうやって地方にやっているんだ。結局儲かるのは一部の建設会社だけで、ふるさとの自然は失われ、地方に残される巨大な負債。今読んでいる本“Economic Hit Man”(日本語訳が出てますか?)には、この経済仕掛け人(Economic Hit Man) が、どうやって第三世界に無理やり金を貸し、巨大公共事業をやらせて、絶対に返済できない巨額の借金を負わせて財政破綻させ、その国を米国の支配下に置くかが描かれています。これで殆どの第三世界の政府はアメリカや多国籍企業のいいなりになります。

それでもいいなりにならないときはCIAを送って政権を覆し(映画『テロリストは誰?』に描かれている)、それでもだめなときには戦争(いまのアフガニスタンやイラクが良い例)、というわけです。日本でもアジアに対して同じようなことをしているし、中央政府は地方に同じようなことをやっている。経済的に弱いところは強いところの言いなりになるしかない、という構図。

お金の流れを変えればいい、とずっと思ってきたけれど、その前に人々の価値観や意識が変わらないことには、やはり何も変わらないですね。そして人の価値観を変えるのは難しい。変えることができるのは結局自分自身だけ。人に気づくチャンスを与えることができる場合はあるけれど。私たちはいつも人と関係しあい、影響しあって生きていますからね。

私もそうだったけど、自分が自ら気づいたときに初めて変わることができます。そして気づきは大きな感動(やショックもだ)があったときに起こりやすい。だから、感動的な体験を重ねることが一番変革への近道なんだなあ、結局。だから、わくわくすることをどんどんやろう、みんな!

昨日とおとといは今帰仁(なきじん)村にて、「島プロジェクト」という活動を通して、全国各地から集まった若者たちと今帰仁村の女性たち25人ぐらいに『911ボーイングを捜せ』を観てもらいました。そこでは若者たちがまったく新しいコミュニティーを創りはじめていました。殆どモノを持たずに、それぞれの才能を生かしあい、支えあい、畑で作物を育て、満天の星空の下で夢を語らいながら、共同生活を送っていました。「島プロジェクト」に興味のある人は彼らのサイトを見てください。私が若くて独身だったら、迷わず参加していただろうな。http://www.shimapro.com

ここに私を呼んでくれた斉藤真紀さんとのつながりは、沖縄・地球村の辻さんから。真紀さんが持っていた本がどれもおもしろく、特にアメリカで無料の病院をやっていた医者・パッチ・アダムスの本は滞在中に一気に読ませてもらいました。パッチの魅力がいっぱいで、彼のメッセージにはたくさんの生きるヒントがありました。

心に残った言葉は(本がここにないので正確ではありませんが)
「批判じゃ何も変わらない。それよりまったく違ったやり方で何かを始めよう。建設的提案だけを言おうう」
「あなたが戦争や暴力に反対だったら、愛と思いやりを常に実践する」
「まずあなたが喜びいっぱいに、幸せに生きよう。喜びであふれている人は暴力なんてふるわない」
「与えつくす、そして見返りは求めない」
「死ぬまでは生きているんだから、やりたいことをやろう」

ガンジーやマザー・テレサにも通じるものがあります。本のタイトルは(たぶん)『パッチ・アダムス 今あなたに伝えたいこと』主婦の友社だったと思います。私も買おう。枕元に置いて、いつでも読み返す本になりそう。

今日はこれから沖縄の「ゆいまーる」というグループで上映会です。映画『チベットチベット』の金森太郎監督と一緒にいってきます。毎晩上映会が入っているのはとてもうれしいのだけど、なかなか夜の街で米兵たちに会う時間がとれないなあ。

驚いたことに、森田ゆりさんがもうすぐ沖縄にやってくるのを発見。NPO法人のおきなわCAPセンターが「森田ゆり 子育て・人権講演会」を企画しているの。何とうれしい偶然(はないのだけど)!CAP(子どもへの暴力防止)を教えるためだって。さあ、また彼女といろんな作戦を練らなくっちゃ。

2005/03/06

声が出ない

3月4日から声がでなくなっちゃった。風邪をこじらせて、のどを完全につぶしてしまったらしい。熱もないし、体調もそんなに悪くないけど、ただ声が出ない。すると、我が家は実に静かなのだ!私がいつも怒鳴っているから、子どもも余計悪さをするんだな、きっと。私が声が出ないと、それほど子どもたちも騒がないではないですか。これは新しい発見。これからは、あまりがみがみ言わずに、じっと黙って子どもたちの声を聴くことにしよう。そのほうが、より静かになるのですねえ。はい。素直に反省。

今日は沖縄の糸満にあるラジオで生出演が決まっているのだけど、玄ちゃん(だんな)に代わりに出演してもらうしかないな。あさってから、沖縄各地での上映会がまた始まるので、それまでには何とか治さないと。声よ、戻ってきてください。

今日は、第2回東京平和映画祭の第2次フライヤーに載せる原稿を書いていたの。どの映画もやはりすばらしいですね、こう並べて見ると。みなさん、チケットは売り切れないうちに、お早めに入手してくださいね。昨年は満員御礼でしたから。今年もこのラインアップでは、きっと満員になると思いますよ。入手方法はここから:www.peacefilm.net

以下は、6本の映画の解説。この映画を全部1日で観られるなんて、とてもお得な企画だと思いませんか?1日鑑賞券が2500円は安いと思うな。

第2回東京平和映画祭で上映する6本の素敵な映画たち:

1、 苦い涙の大地から 
小見出し:27歳のリウ・ミンの涙はとまらなかった

2003年夏、中国のハルピンで出会ったリウ・ミンという27歳の女性は、父親を1995年に日本軍の遺棄した砲弾で亡くして以来、笑うことを忘れていた。父の治療のために家を売り、それでも残った莫大な治療費の借金を返すために休みなく働いていた。優しい父親を失って、貧乏のどん底に突き落とされた幸せな家族。教師になりたかった彼女、そして獣医になりたかった弟の夢も永遠に奪われた。それも平和な時代に突然に。その後、10ヶ月間かけて取材した60人の証言と記録は、60年前の戦争の被害が今も続いてくることを教えてくれる。中国の大地には今も日本が棄てた兵器が眠り続けている。かつての戦争の置き土産で、平和な時代に傷つけられ、命を落とす人々。彼らの声に耳を傾けてください。

2、 教えられなかった戦争・沖縄編―阿波根昌鴻・伊江島のたたかい
小見出し:日本のガンジー、阿波根昌鴻さんの生き様

太平洋戦争の激戦地となり、民間人にも多数の死者を出した沖縄の近・現代史についての長編記録映画。1903年に沖縄本島北部の本部(もとぶ)に生まれた平和運動家・阿波根昌鴻さんを語り部として、近代から、江戸幕府、日本政府、太平洋戦争後はアメリカに搾取されてきた沖縄の虐げられた歴史が語られる。多くの人々の証言や当時の写真が、知られざる沖縄の姿を浮き彫りにする。「わしらの平和運動は沖縄から基地をなくしても終わらない。平和憲法を世界中に広め、地球上から武器も戦争もなくしてしまう」「土地は魔法使い。同じ土にいろんな種をまくといろんな命を育ててくれる。命を育む土地を人殺しの練習のためには使わせない」阿波根さんの言葉は、平和を愛する人々の支えになっている。

3、 影の政府 憲法の危機
小見出し:永久戦争国家と民主主義は両立するのか

1947年、トルーマン大統領が署名した国家安全保障法が、米国の方向を劇的に変えた。この法律がCIAを作り、憲法の草案者たちがまさに恐れていたノーチェックの権力機構を生んだ。「何でもあり」の冷戦のルールが決まり、テロや暗殺、政権転覆、暴徒、危機のでっちあげなどが繰り返される。1953年・イランのモサデグ政権の転覆、1954年・グアテマラのアルベンス大統領の追放、キューバへの複数の侵攻とカストロ大統領暗殺未遂、1968年・ベトナム戦争。1941年以来、米国議会は一度も宣戦布告をしていない。朝鮮では「警察行動」、ベトナムでは「顧問」、中米では「秘密作戦」、レバノンでは「平和維持」、アンゴラからカンボジアまでは「低強度紛争」。アメリカの戦争権限は得体の知れない誰かが握っている。

4、 911 ボーイングを捜せ 航空機は証言する
小見出し:911は世界を変えた このビデオは911を変える

米ミズーリー州にある小さなラジオ局が制作した作品が、今や全米を揺るがそうとしている。3千人の犠牲者を出した2001年9月11日の同時多発テロは、現在でも19人のアラブ人テロリストの犯行とされ、以来「対テロ戦争」の火蓋が切って落とされた。米英軍の攻撃を受けたアフガニスタン、イラクでは数万人の一般犠牲者が出ており、その数は増える一方。ところが映像は次のような疑問を投げかける:ペンタゴンに突っ込んだのは本当にボーイング757型機だったのか、世界貿易センタービルに激突した飛行機の下部についている物体は何か、激突の直前に走る小さな閃光は何か、世界貿易センター第7番ビルはなぜ崩壊したのか―。制作者は結論を出さないが、米国政府の911事件への関与を疑わせる問題作。

5、 アボン・小さい家 ~地球で生きるために~
小見出し:フィリピンのおとぎ話のような現代の物語

豊かな生活を求めて、ルソン島北部から大都会のバギオへ出てきた日系フィリピン人三世・ハポンはジープニーの運転手をしながら、高級住宅地に家を買うことを夢見みている。ある日、外国へ出稼ぎに行こうとした妻が不法斡旋業者の偽造パスポートで逮捕され、その保釈金のために多額の借金を抱え込む。やむなく祖母の故郷の村へ戻るが、そこの暮らしは豊かな自然に恵まれ、お金もいらない自給自足的な暮らし。ハポンは徐々に、こここそが家族の生きていく本当の場所だと悟る。小さな湧き水がやがて沢となり、山全体を映し出す。昔のままの山岳民族の暮らし、村の風景、森の美しさや自然界の生き物と多様性がこの映画の物語を豊かに彩る。現代の私たちが忘れてしまった大切なものがここにある。

6、 アマンドラ~希望の歌
小見出し:世界初の「歌」が成し遂げた南アの革命。

南アフリカ共和国のアパルトヘイト政策(合法的人種隔離政策)の誕生から終焉までを、抵抗運動の中で歌われた音楽という切り口でたどったドキュメンタリー。南ア人口の大多数を占める黒人たちは、政治権力と武力を独占する政府に圧迫される中で、数々の歌を作って政治家たちを挑発し、自らを鼓舞していた。この当時の南アでは、黒人ソングライターはそのまま政治運動家でもあった。ミュージシャンたちは捕らえられ、投獄され、拷問され、殺された。一度は挫折したように見えた運動が、ジンバブエから持ち込んだ 「トイトイ」という激しい歌と踊りで息を吹き返し、ついには白人支配を覆す革命を成し遂げる。 南アの革命は世界で初めて歌と踊りが成し遂げた革命だ」と語る運動家の言葉に魂が震える。

2005/03/04

沖縄から第2便

きくちゆみ 098-886-0604 090-4011-6488

3月1日の沖縄タイムズの社会面に小さな記事が載りました。
「9・11検証ビデオ出前上映 平和活動家きくちさん 米政府発表に矛盾」というタイトルです。その日の午後から携帯電話が次々と鳴り始め、もう18日までの日程は殆ど埋まってしまいました。沖縄の人々の関心の高さに驚くと同時に、メディアと市民が協力すれば、こんなこと(知り合いのほとんどいない沖縄でも連続上映会ができる!)も可能なのだ、という良い例です。
メディアが市民の味方をしている限り、戦争は防げるはずです。戦争を起こす国(アメリカは良い例)では、メディアは市民ではなく企業や権力者の味方になっている場合が多いのです。市民が自由に発信できるメディアがたくさんあるほど、その国は民主主義的で健全である、といえるでしょう。そういう意味では、沖縄は日本の中でもより民主的なのかもしれません。いつも米軍基地と共に生きてきたからこそ、沖縄のメディアは逆に骨太なのでしょうか。
決まった上映日程とその他のスケジュールです。詳細はwww.peace2001.orgの「きくちゆみのスケジュール」でご確認ください。
3月3日 1-3pm 具志頭村 連絡先:098-998-4104 (サト)
3月7日 6-9pm 沖縄国際大学厚生会館4階ホール(通訳の手伝い)
3月9日 夜 今帰仁村?090-4138-8614斉藤真紀
3月10日 夜 首里「ゆいまーる」090-8661-3937玉城
3月11日 7-9pm 宜野湾大山ムジーク・ドットコム 090-3796-0723ヤブ
3月12日 2-4pm 宜野湾ベイサイド情報センター 098-977-7388山崎
     「ピース&エコ・フリートーキング」会費1800円要予約
8:30pmから 上映会・那覇市「ブヌヌヌス」090-7986-7457天野
3月14日 7pm 沖縄市くすぬき平和文化館 090-4997-3163比嘉
3月13日 2-4pm 首里公民館「首里平和映画祭」 090-4011-6488(きくち)
3月15日 5:30-7pm 琉球大工学部1号館221号室090-9471-6726永井
3月16日 夜 読谷村?090-4138-8614斉藤真紀
3月17日 10-12am 那覇市コープ沖縄浦添センター 090-3324-3205中園
     夜 玄&ゆみお別れコンサート 秋桜にて
3月18日 沖縄から大阪へ移動
3月19日 1-4pm 大阪上本町6丁目高津ガーデン8階090-7353-1699柏木
3月20日 11am-3pm神戸ピースフェスタ 090-6062-6127辻元
3月21日 1-3pm 東京・池袋 らいてふの会で講演 0422-54-1856米田 
5-7pm BeGoodCafe静岡に出演
3月25日 6:30pm 記者会見「第2回東京平和映画祭」について
7pm 第2回東京平和映画祭プレイベント オリンピックセンター

 今晩は、レストラン「秋桜(コスモス)」で懇親会があるのですが、ここはオペラ歌手の金城久美子さんがオーナーです。気持ちの良い空間で食事もとてもおいしいので、首里方面にいらしたときにはぜひ立ち寄ってみて下さい。モノレールの首里駅から3-4分です。ランチは手頃な値段なので、よく利用します。
 今滞在しているところはたまたま友人が持っている貸室が空き家だったのを特別に借り受けたもので、お布団以外は何もありません。冷蔵庫も洗濯機もないですから、毎日洋服はお風呂のときに手洗い、掃除は箒とちりとり、お鍋や食器も少しそろえましたが、たくさん買うのはもったいないので、あるものでできる簡単な料理をして、何とか暮らしています。 
田畑がないと(都会ではみんなそうですね)全ての米や野菜をスーパーなどで「買う」わけですが、高いですねえ。驚いています。無農薬の野菜を食べたいので、近くの自然食品店へ行きましたが、あまりに高くて手が出ません。普段は畑で取れたものを食べていますが、つくづく田畑があることはなんて贅沢でありがたいことなのかしら、と再確認。こんなに野菜が高いのでは、毎日無農薬の野菜を食べようと思ったらたくさん稼がないと無理です。
 私ならたくさん稼ぐために都会で働くよりも、過疎の農村へ行って少しでも米や野菜を育てて、収入がなくても「食べられる」「生きていける」状態にしたいですね。沖縄でもそんなことが可能かどうか、少し北のほうへ足を伸ばしてみます。沖縄の離島ではそういう暮らしをする人も多い、と聞きました。
 ここ首里の上空も毎日米軍の戦闘機が飛びます。子どもたちは普通の飛行機と違う音なので「コワイ」と言って私にしがみついてきます。毎日基地では訓練をしているわけですから、沖縄の人々はこの轟音と共に生きているわけです。音だけでも大変なことですが、それ以外にも基地の出す汚染や公害、米兵による強姦・暴力事件、タクシー代や飲み屋代の踏み倒しなども、否応なく存在しています。
日本政府は「思いやり予算」をたっぷり米軍に支払い、沖縄県には開発のための手厚い公共事業をやることで、基地反対の声を封じ込めてきたつもりでしょうが、それはもう限界でしょう。それだけの予算の一部をたとえば沖縄で自然エネルギー事業を起こすために使えば、大量の雇用(それも実にやりがいのある仕事です)が発生します。経済発展にも寄与します。一年中温暖な気候を利用して沖縄が食料自給を目指すことも可能でしょう。自然農法家育成のために思いやり予算を使ってもいいでしょう。
お金の使い方で未来がぜんぜん違ったものになります。子どもたちが健康で平和に暮らせるようにするためには、現在のお金の使い方を大胆に変えていかないといけないですよね。今晩初めて出会う沖縄の人たちとは、そんな話ができたらいいな、と思っています。

2005/03/01

オープンジャパン用原稿

 大変長らくごぶさたしております。いろいろな人からオープンジャパンはどうなったの、ホームページも開かない、とご連絡をいただいていました。ご心配かけて申し訳ありません。コンピュータのトラブルが若干あった以外は何ごともなく、いたって元気にしております。
私たちはオーストラリア、ニュージーランドの11ヶ所で無事『911ボーイングを捜せ』の上映会を終えたあと、韓国で平和活動家たちに会いDVDを託し、2月11日に無事帰国しました。真夏の南半球から真冬の日本に戻るのはつらいかなあ、と心配していたのですが、韓国がマイナス10度でとても寒かったので、日本はかえって暖かく感じるぐらいでした。「韓国ショック療法」が効きました。
3カ国を回って印象的だったのはニュージーランドの市民の意識の高さで、911事件に関しても、平気で「あれは米国政府が対テロ戦争をでっち上げるための自作自演」という人が多くて、こちらが驚いてしまいました。道理でニュージーランドはイラクへ派兵していないわけです。国民の意識がここまで高かったら、あんな無茶苦茶な戦争と占領に派兵などできるわけがありません。 
帰国後は翌日から、京都、岡山、和歌山、大阪、瀬戸、名古屋、浜松、東京、横浜など10ヶ所で講演会と上映会をして、今は沖縄です。こちらにアパートを借りて、3月18日までじっくりできることをやります。
 最大の目的はひとりでも多くの人(米兵を含む)に『テロリストは誰?』と『911ボーイングを捜せ』を見てもらうことです。この2本のドキュメンタリーを見ると「何かしなくては、何かしたい」という気になってくれる人が多いので、そういう仲間を増やしたいのです。「平和への結集」で出会った沖縄の弁護士の金城睦さんが、暖かい手を差し伸べてくださっています。大病をされて療養中なのに、本当にありがたいことです。
 今日(2月28日)は沖縄県政記者クラブで「10人集まればどこでも出前上映します」と記者会見をしてきました。沖縄タイムズ、琉球放送、琉球新報社、西日本新聞、毎日新聞、共同通信が来てくれましたが、報道されるかどうかは未知数です。以下は沖縄滞在中の予定ですので、沖縄に友人・知人がいる方はぜひ転送をお願いします。

3月2日(水) きくちゆみさんを囲む懇談会 
場所:カフェレストラン「秋桜(コスモス)」電話098-886-2420
* 飲食代含む会費3千円。予約制、連絡先:885-8857(金城)
3月12日(土)ピース&エコ・フリートーキング ゲスト:きくちゆみ
場所:宜野湾ベイサイド情報センター 電話:098-942-8415
参加費:1800円(お茶・お菓子つき)連絡先:098-977-7388(やまさき)
3月13日(日)首里平和映画祭『911ボーイングを捜せ』上映会
場所:首里公民館・視聴覚室(駐車場がないので、モノレールでご来館ください)
入場無料 連絡先:090-4011-6488(きくち)

 昨年7月17日に行われ満員御礼だった東京平和映画祭が、今年も行われることになりました。フライヤーとチケット、公式サイトも完成しましたのでぜひご覧ください。 東京平和映画祭公式サイト: www.peacefilm.net
3月25日には第2回東京平和映画祭の記者会見とプレイベントを行います。入場無料ですので、興味のある方はぜひ。
 なお、第2回東京平和映画祭の前売り券はチケットぴあ(Pコード:551-053)か、以下の郵便振替口座に振り込んでご購入ください。
郵便振替:東京平和映画祭 00140-7-648099 
*1枚2500円。通信欄に枚数をお書きください。

東京平和映画祭は、みなさんのサポートで運営されています。個人・団体で20枚以上チケットを購入してくださる方は、第2次フライヤーに協力者としてお名前を掲載させていただきます。

<第2回東京平和映画祭 プレイベントのお知らせ>
日時:2005年3月25日 午後7時から(6時半から7時までは記者会見)
場所:国立オリンピック記念青少年総合センター・センター棟300人室
入場無料(カンパ歓迎。東京平和映画祭はみんなのサポートで運営されています) 
内容(予定。内容は変更の可能性があります):
上映予定作品の一部上映と監督によるお話
911事件の真相究明:成沢宗男(週間金曜日)
パレスチナ・1コマサポータについて:森沢典子

映画祭当日(4月16日)に参加者全員に無料配布するパンフレット(16ページ、千部制作)に1コマ(3x3センチ)の広告やメッセージを載せて、東京平和映画祭を資金的に支えてくれる3x3スポンサー(1コマ9千円)を募集しています。お申し込みは完全原稿を<sponsor@peacefilm.net>へ送り、1コマにつき9千円を郵便振替:東京平和映画祭 00140-7-648099 (通信欄に3x3スポンサー、コマ数を明記)へお振込みください。締切りは3月10日、先着40コマまでです。

またNGO、NPO、個人のブース出展(店)も受け付けます。昨年は参加者の平和への興味が高く、商品が良く売れ、出展者に大変喜ばれました。1ブース3千円の出展(店)料です。お申し込みは、へお願いします。先着10ブースの予定です。

これから3月18日までは沖縄です。この間沖縄にいらっしゃる方は、米兵へのDVDプレゼント作戦を手伝ってくださるとうれしいです。ご連絡お待ちしています。辺野古の海上基地建設もあの手この手で中止にしましょうね。
最後に、ダグラス・ラミスさんの本『日本は本当に平和憲法を捨てるのですか?』(平凡社)からの言葉を贈ります。
「第9条を捨てることは、他国の人を戦争で殺す権利を自衛隊に与えるということです。これは、日本国民が本当に望んでいることでしょうか。まだ間に合います。もう一度、ここで考えてみません