2007/12/07

原発は海暖め装置

地球温暖化問題の本質の JPG

いいもの見つけちゃった!12月2日に行われた東京ピースフィルム倶楽部のミニシアターの参加者がくれたのが、たんぽぽ舎発行の『地球温暖化の本質 「原子力発電所」を正しく呼ぶと「海暖め装置」』(小出裕章著)という小冊子。これを読みながら、何度わたしは「そう、そう!」と膝を叩いたことか!

実は「原発が温暖化の解決策になる」というプロパガンダ(本当はならない)は古くからあって、わたし自身はそれに対してずいぶん反論を試みてきました。グリーンピース原子力資料情報室が正確な情報を出してくれていたので、それを広めたりとかね。

そのとき、いつも言っていたのが「原発は二酸化炭素を出さないから温暖化防止になるっていうけど、うそっぽーい。だって、あんなにいっぱい温排水をすてて、海を暖めているじゃない」ということ。

でもわたしは科学者や専門家ではないので、原発の温排水の熱量と、原発推進側が主張する二酸化炭素を排出しないこと(確かに核分裂では二酸化炭素は出ない)による温室効果ガスの削減効果が、エネルギー的にどちらがどれぐらい大きいかはわかりませんでした。ただ、素人の直感で、原発ってのはウランの核分裂エネルギーのほとんどを海に捨てている(3分の2は温排水として海へ、残り3分の1が電気になる)ことは知っていたので、「原発はそうとう海を暖めているだろうな。これって温暖化と関係ないのかしら?」と思っていたのでした。

それを見事、京都大学の核物理学の専門家の小出先生が明らかにしてくれました。そして、今揺れている六ヶ所村の再処理工場の本質についても。ありがとう、小出先生!

このことは12月9日の『六ヶ所村ラプソディー』鴨川上映会でばっちりお話します。そして、会場にいらしてくれたみなさんのために、この小冊子を50冊入手しました。たったの400円で目からウロコなので、ぜひ買って読んでみてください。このブログの読者で欲しい方には実費でおわけしますのでDMをください。これ1冊で、あなたも「原発が温暖化に効く」なんて嘘にはだまされなくなりますよ。

ついでに、小出さんの『人類の歴史と核』、田村剛一さんの『止めよう再処理』、山田清彦さんの『六ヶ所再処理工場があなたの未来を奪う』もまとめて入手しました。各400円ですのでメールで注文してください。品切れの説はご容赦。

911事件に限らず、本当のことが広まれば、今のように間違った選択をしなくて済むでしょう。テロをなくすために戦争したり(実際は、無実の人々を大量に殺して、かえってテロを増やしている)、世界一の地震国に原発を55基も稼働させて、みんなの生活といのちが破壊されるのを「日本はエネルギーがないから仕方ない」と黙ってまっていたり、とかね。他にもいろいろ。

選択肢はあります。テロをなくすには、戦争に使われているお金を雇用創出や貧困対策に使えばいい。原発をやめるには、原発に出される補助金をやめるだけで、コスト高となり市場原理で止まります。日本の電源開発費の9割以上が原発に使われていますが、これを自然エネルギーに振り向ければ、日本はすでに確立している自然エネルギーの技術で世界のトップになれます(実際、最近の原油高でアメリカは風力発電にシフトしており、三菱重工にまで風車の発注がきていますよ)。

地震大国に原発はごめんの JPG

日本は確かに化石燃料やウラン鉱石はないけど、自然エネルギーの宝庫であり、実際はまだほとんど利用されていません。太陽や風力だけではなく、小型水力発電はいたるところで可能です。大都市の糞尿や雑排水からメタンガス発電だって可能だし、手入れがされていない人工林(杉やひのき)は北欧のように木質系バイオマスに最適。ウッドペレットストーブにしてもいい。電気で暖房はエネルギー効率が最も悪いので、やめましょう。休耕田で菜種やヘンプを栽培して、バイオディーゼル燃料で車を走らせ、発電もできる。住宅やビルの屋根を太陽光発電にする費用は、温暖化対策費として国や市町村が出せばいい。

できることはたくさんあるのです。

わたしたちの美しい国が放射能まみれになる前に、あなたやあなたの愛する人がガンや白血病で死んでしまう前に、もっと良い選択をしましょう。できることは、ぜんぶやりましょう!

地震国に原発という選択は間違っています。「地震大国に原発はごめん」です。

というわけで、みなさん、12月9日は鴨川市民会館に集合!『六ヶ所村ラプソディー』の上映は午後1時と5時からです(トークは3時半から)。お待ちしています!(JR安房鴨川駅から海へ向かって徒歩5分)。ついでに我が家を見学したい(あるいは改装作業を手伝いたい)という人も歓迎です。

Google EarthのJPG

六ヶ所村核燃料処理施設を空から見たい場合は、この地球アイコンをクリックして Rokkasho_Pro_Plant.kmz ファイルをデスクトップに保存します。それをダブルクリックしてください。Google Earthをインストールしていない場合は、フリーバージョンをダウンロードできます

予告:12月22日は我が家で毎年恒例のキャンドルナイトをしますよ。

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1 件のコメント:

Yumi Kikuchi さんのコメント...

こんな記事がありました。日本ではこういう調査には妨害が入るのよね。以前、明石昇一郎さんが福井でやろうとして、なかなかできなかった。
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原発周辺の5歳未満児、がん発生率が6割も高い=独(AFP=時事)

http://news.livedoor.com/article/detail/3422284/

【ベルリンAFP=時事】ドイツで、原子力発電所から5キロ未満の地域に住む5歳未満児が全国平均の6割も高い割合でがんにかかっているとの調査結果が明らかにされた。白血病に限れば、全国平均の117%にも上るという。ただし政府は、原発の放射能によるものとは説明できないとしている。

 調査は政府の放射線防護機関が実施。全国の原発所在地、あるいは原発があった場所に近い計21の地域で1980年から2003年までの統計を調べた。その結果、これらの地域では5歳未満の子供ががんにかかったケースが77件あり、全国平均より60%高かった。また白血病は、平均の2倍以上の37件に上ったという。

 しかし、この調査結果についてガブリエル環境相は、ドイツの原発が発する放射能の少なくとも1000倍の量を住民が浴びなければこうした結果は出ないと指摘し、原発の放射能が原因ではないとの見方を示した。

〔AFP=時事〕