2009/01/11

シンディー・シーハンからのメッセージ:私たちはガザと共にある

シンディー・シーハンのことはこのブログでも何度も取り上げていますが、息子のケイシーをイラクで失い、ブッシュ大統領に「私の息子が殺されなくてはならなかった崇高な理由とはなんですか」と聞くために、ブッシュ大統領の休暇中のキャンプ場の外に1人で座り込んだことから、全米に大きな反戦の炎を燃え広がらせた女性で、確か年齢も私と同じぐらい。

彼女から、ガザで起きていることに対するメッセージが届きました。
http://www.afterdowningstreet.org/node/38750

これを読んだとき涙が溢れてきました。海を挟んでこんなに距離が離れていても、国や言葉も違っても、話したことがなくっても、思いは同じなのでした。翻訳して紹介しなくっちゃ、と思っていたら、もうどすのメッキーさんが訳してくださっていたので、ここに許可を得て転載させていただきます。

どすのメッキーさんのブログではもっとたくさんのものが読めますので、ぜひチェックしてくださいね。
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 どすのメッキーです。

 絶望と無力感に襲われそうな状況の中で、どれだけ、この人の声を待っていたでしょうか。

 わたしは、彼女をカリスマ化して思考停止する風潮に反対してきましたが、ガザに関する彼女の文章を読むと、運動家としてまさに類稀な資質、それは他人の痛みを我がことのように感じ、断固として何者をも恐れず、そして緻密な戦略をたてて行動するすべてにおいて、傑出したものを感じずにはいられません。

 今回紹介するメッセージは、シンディ・シーハンが今年1月7日に書いたものです。微力ながら、彼女の熱い思いが伝わるよう精一杯訳しました。このメッセージで、彼女とともに泣き、怒り、そして胸を張りましょう。

「わたし達は皆、ガザとともにある」


【転送連載熱烈歓迎】
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■わたし達は皆ガザとともにある
【We are all Gazans】
(By Cindy Sheehan, 7/Jan./2009)
http://www.afterdowningstreet.org/node/38750

 これを書きながら、私の目は真っ赤にはれています。

 血だらけの赤ちゃんや手足をもがれた子どもたち、そして母親や父親が嘆き悲しんでいる写真を見るのは耐えられないことです。

 ヤハウエの「神に選ばれし」国防軍は、2か所の国連避難所を爆撃しました。
イスラエルは、そこが避難所として使われていることを知っていながら、(GPS座標を提供した国連は、それほど彼らを信用していたのかしら?)学校を破壊しました。ガザの数十人の無辜の人々が殺されました。イスラエルは、ハマスが学校をロケット発射場に使っていたという便利な言い訳をしましたが、それは国連が否定しています。

「大統領はいつもひとりだけだ」と言ったナントカさん(【訳註】オバマ次期大統領のこと!)は「わたしは戦争自体否定しない。愚かな戦争に反対するだけだ」と言ったでしょう。あなたは、今ガザで行われているテロ行為にコメントするのを頑なに拒否したけれど、わたし達は、あなたが2008年7月にエルサレムを訪れた時、どちらの側に重きを置いてイスラエル大統領シモン・ペレスに話したかを知っている。南部イスラエルのスデロト、そこもイスラエルの大部分と同じようにもともとパレスチナ領土ですけどね、そこであなたはペレスに「あなたのおかげで、イスラエルが建国して60年で奇跡が花開きました」と語って、ハマスの貧弱なロケット弾からイスラエルが自衛する権利にお墨付きを与えたわね。ナントカさんに伝えましょう「わたし達は、あなたがイスラエルを大好きで、ずっと以前から、アメリカ・イスラエル公共問題委員会(AIPEC【訳註】米国の最も強力なロビー団体のひとつ。アメリカ-イスラエルの強固な関係を維持することを目的とする)と軍事で徒党を組んでいるアメリカ・イスラエル帝国の言いなりだって知ってるの。でも、パレスチナの赤ちゃんはガザからロケット弾を放ったりしないわ」

 私はここで、オバマに言いたい。戦争は愚かではありません。戦争は「邪悪」なのです!ここアメリカの貧しい黒人に対する戦争から、アメリカとイスラエルががアラブの人々を侵略するために行った虐殺まで、あらゆる戦争が邪悪です。

戦争と言うものは、例外なく、完全に、絶対的に、議論の余地なくむごたらしく、邪悪なのです。アメリカ議会も、イスラエル議会も、そしてそれぞれの政権も、死と破壊を求めて、乱暴で極端な人種差別主義者が羽を休める止まり木かもしれません。洞察にとんだ「チェンジ」にも、積極的な「チェンジ」にもわたし達は全く「希望」が持てません。

 ジョージ・ブッシュはいつも死と破壊を推し進めて、共和党と民主党が戦争マシーンに忠誠を誓えば満足する役立たずの愚か者です。彼は最終的にいなくなり、それは大歓迎なのですが、経済に関わるブレインが納得できるというだけで、次の政権を歓迎していいのでしょうか。次の大統領は、ガザの無力で無抵抗な人を弁護する段になると、驚くべきすばやさと光のスピードで責任逃れに走ってしまうのです。

 殺される赤ちゃんや子ども、そしてその他の純潔な人達が、貪欲で残忍なアメリカ・イスラエル政府の対価を払わされていると思うと、気が狂いそうです。わたしは、虐殺を前に、そして、私の仲間と多くの「平和」運動が、シオニストの次の戦争モンスターに「チェンジ」を期待しているの見ると、深い無力感でいっぱいになります。

そう、叫びたい「ナンセンス!」と。

 イスラエルはガザの住民を虐殺し続けています。医師にどんな薬も必要な物資も届かない状態では、数百人いえもっと多くの人達が死に、数千人以上の人が傷つけられるでしょう。そして、オバマがこれ以上沈黙しているなら、数万人が恐怖に取り残され、上に苦しみ続けるのです。沈黙は共犯と同じです。わたし達が似非リーダーに追従するなら、わたし達も共犯者です。

 わたし達に何ができるのでしょう。税金を支払う日が近づいている。あなたが支払った税金は、あなたが若い人でも、年老いた人でも、支払い始めてからずっと死と破壊に使われています。あなたが汗水流して稼いだお金がガザやイラクやアフガンの赤ちゃんを殺すのに使われているのを知りながら、夜すやすやと眠れる?わたしはもうめったに熟睡できません。わたしもアメリカ・イスラエル戦争マシーンに税金で資金を提供しているからばかりではないのですが。

 わたしは、サンフランシスコの議員に、イスラエルの会社の株と投資を剥奪するよう呼びかける積もりです。すべてのパレスチナ人への暴力的なアパルトヘイトを止めなければなりません。そして、南アフリカで実現したように、多くの保守的なイスラエル人とともに、公正で人道主義に根ざした解決策が経済的に推し進められなければなりません。あなたも、あなたの住む町で同じような運動を始めるか、すでに始まっていればそこに加わってください。

 わたし達が選んだ公務員に人道主義に基づいた行動をとらせるためには、組織化され、抜け目ない抗議運動をしなければなりません。アメリカ・イスラエル公共問題委員会は、政府立法を親イスラエルにさせるため無制限とも思える資金と影響力を持っています。わたし達の連邦公務員の多くがAIPACに買収されているのですから。

 わたし達が正当な怒りを表し、ファシスト政府に道徳的な水を運び、声をそろえて平和と正義を叫ぶまで、これ以上赤ちゃんの犠牲を増やすべきではありません。

 ガザ地区の住民は、アメリカ製の飛行機からアメリカ製の爆弾を落とされて組織的に殺されています。アメリカ製のヘリコプターからアメリカ製の機関銃で機銃掃射されているのです。止められるのは、まさにわたし達なのです。


(仮訳どすのメッキー 11/Jan./2009)
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 "One President at a Time" というオバマ氏の表現は、すでにイデオム化していますが、日本では最近になって(ハワイから帰ってきた)彼が就任後パレスチナ問題を重視すると発言したこと「だけ」を捉えて、愚かな期待をしています。言いたくもないわたしの地元の空騒ぎは論外としても、日本のオバマ熱は異常でしょう。

 上訳中の「『大統領はいつもひとりだけだ』と言ったナントカさん」の原文は"Mr."One President at a Time""です。周囲がどれだけ浮ついても、シンディの視点はぶれません。オバマは、日本で言えば小泉に似たプレゼンの上手い政治家だと見ていますが、シンディの言葉の真実を前にすると、その空虚さが際立ってきます。

11/Jan./2009 どすのメッキー拝。

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