2011/02/04

やんばるの森を次世代に残したい

そもそも私が米銀勤めをやめることになったきっかけは、中央アメリカのベリーズという小国の豊かな熱帯林に惚れ込んだことでした。熱帯林の生物の多様性、森のおかげで私を含む呼吸するすべての生物は生きることが可能になっている事実、その森が急激に失われていることをなんとかしたくて、熱帯林の自然保護区作りに参画したのでした。

あれから21年。ベリーズのモンキーベイ自然保護区は健在です。

そして今、沖縄本島で一番豊かで広大なやんばるの森に、またまた米軍基地(今度は「ヘリパッド」というヘリコプター離着陸用の基地)がつくられようとしています。生物の多様性が脅かされるだけでなく、その豊かな森の中で暮らしていた人々の生活も脅かされています。
http://takae.ti-da.net/

やんばるにある高江の集落に暮らしている私の友人や知人の顔が思い浮かびます。今、どんな思いでいるのだろう・・・。

ここでは約160人が普通に暮らしていますが、米軍のヘリパッドはこの集落をかこむように6つ作る計画で、すでに工事が始まっています。

高江の集落は米軍の「ジャングル訓練センター」の真横にあります。このヘリパッドができると、訓練センターの中に集落があるようになります。訓練中毎日、米軍へりが低く長く飛ぶことを想像してみて下さい(実は、我が家の真上もたまに自衛隊のヘリコプターが低く飛ぶのですが、家中がガタゴト振動し、その揺れが止まるまで恐ろしい思いをします)。

高江の人々は「これ以上ヘリが飛んだら、しかも新型機オスプレイが飛んだら、ここに住めなくなる!」と、工事を止めるために座り込みをはじめました。といっても高江の人々にも仕事やそれぞれの暮らしがあり、座り込む人の数が圧倒的に足りません。もしあなたに自由な時間と旅費と志があるなら、ぜひ高江に行ってくださいませんか。こちらに地図や行き方があります

いったい誰のための何のための米軍基地なのでしょうか。
なぜ高江の人々の暮らしが、脅かされなくてはいけないのでしょうか。
ここで訓練を受けた若者たちは、いずれ戦場で誰かを殺したり、あるいは殺されたりするかもしれません。

基地建設を止めることは、多くのいのちを救うことにつながります。

今、沖縄にある米軍基地は銃剣とブルドーザーで沖縄の人々から不当に奪われたものです。フィリピンで住民が立ち上がり米軍基地を閉鎖させたように、日本でも同じように米軍に帰ってもらうことはできないのでしょうか。

「米軍基地があるから日本の平和が守られている」と考える人がいることも知っています。

それでも私は「基地がある限り平和はこない」と言い続けます。

基地は地球の限りある資源を浪費します。
戦争がなくても基地建設とその後の訓練によって、環境を破壊します。

武力によって平和を維持しようとする試みは、すでに失敗していると言っていいでしょう。人間の、特に若い人の能力を殺人と破壊に使うことを強いる(ことがある)軍事基地は、これ以上増やすより、減らした方がいいと思います。

地球環境が危機的状態にある今、新たな基地を建設するための費用は環境修復費用や平和構築の費用にまわしたほうが良いのです。

今ある基地がすぐになくせないなら、せめてこれ以上基地を増やすのを止めたい。
そのために、このヘリパッド建設を止めることは、とてもとても重要です。

やんばるの森には多種多様な生物がいます。やんばるの森には静かに暮らしている人々がいます。次世代にこの豊かな森をそのまま手渡したいです。森は一度破壊したら修復は長い長い年月がかかります。

今、沖縄で起きていることは、この国に生きるすべての人に、問いかけをしています。
「あなたは次の世代に何を残したいですか」

ここにある署名用紙には、端的にことの経過が記されています。沖縄まで行かれなくても、誰にでもできるアクションの一つとして紹介します。
http://nohelipadtakae.org/files/takae-shomeiApril2010.pdf


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