2012/03/18

「つなぐ光」誕生から一年

一年前のこの日、沖縄で「つなぐ光」が誕生しました。たくさんのボランティアスタッフ、特に、事務局を担ってくれた中川夫妻(角ちゃんとコカちゃん)は、文字通り寝食を削って不眠不休の活動で、福島周辺から避難して来た妊婦さんと子連れ家族をサポートしてくれました。言葉では言い尽くせないほど、感謝しています。彼らのような友人がいることは、本当にありがたいことです。

その「つなぐ光」(社団法人)に仲井眞沖縄県知事から感謝状が届いたそうです。以下は、事務局長の中川角司さんのブログからの引用です。
http://tsunaguhikari.ti-da.net/e3838116.html

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●沖縄県知事から感謝状が届いてました!

数日前に届いた郵便物を、棚の上に置きっぱなしにしていました。
思いだしたように開けてみたら、沖縄県知事から、つなぐ光への感謝状が入っていました。
我々の活動にご理解をくださりましたこと、心より感謝いたします。

なお、表彰状の文面には、「避難者の受入れ」と書いてあり、とても納得しています。

それは、県が受け入れる条件の方を「被災者」と表現し、つなぐ光は、県が受け入れられない方々を受け入れていたので「避難者」になります。

つなぐ光は、昨年の3月下旬に、当時、原発30キロ圏を対象としていた県に対して、「31キロ地区に住んでいた妊娠9カ月の方」を紹介しましたが、県は、1キロオーバーだという理由で受入れを断ってきました。だからこそ、つなぐ光は、原発100キロ圏を受け入れると表明しました。

それから、県が、原発30キロから福島県全域を受け入れるとなった際、つなぐ光は、第二次支援体制にて、原発100キロから200キロにエリアを拡大して受け入れる表明をしました。

県は大きな船であるので、支援体制は充実しています。

それは小さな船である民間団体には、決してできない手厚さです。

よって、つなぐ光は、県という大きな船のひと回り外側で、うまく泳げていない方をレスキューする「小さなボート」に相当すると言えましょう。

我々が、常に県のひと回り外側で支援体制をつくることで、行政と民間の有機的な連携になればと思って取ってきた処置です。ですので、これは県を非難したくて書いているのではありません。

恐らく、県は「県の受入れ条件外」の方からは相当クレームを言われたのではないかと思います。そして、実は、つなぐ光は「つなぐ光の受入れ条件外」の方から、同様に沢山のお叱りをいただきました。

1年間支援活動というものをさせていただき、学んだことは、何らかの条件や枠を設ける限り、つなぐ光も、県と同じ立場であったと思えるということです。

支援活動というものは、条件や枠の、「内側の方からは感謝され」、「外側の方からはお叱りを受ける」、という「2つでセット」なのだと学びました。

叱られればメゲますし、感謝されれば力が出ます。
その両極の波の中で様々な体験をさせていただきました。

実際には、メゲる時のメンタルの急降下たるや、相当痛いですから、何度か「もう、つなぐ光を止めよう!」と思ったことがあります。
それでもなんとか、ここまで止めずに来れたのは、沢山の方が温かい言葉をかけてくださったからこそです。

最初から関わってくれたスタッフさんたちと気持ちをシェアする場面が持てたからこそです。
沖縄県内の沢山のボランティアさんが訪ねてきてくださったからこそです。

日本中の多くの方が、遠く離れた「どこの馬の骨とも分からない怪しい名前の団体」に活動費を送って下さったからこそです。
そして、そんな団体に、「勇気を出して」支援要請を出してくださった、東北・関東のお母さんたちが居てくれたからです。

全ての皆様に、心から感謝の気持ちでいっぱいです!

本当にありがとうございました。

そして、この先、つなぐ光は、「滞在支援(短期保養)」というフレームから、「移住支援(引っ越し)」というフレームにシフトしてゆきます。

これまた初めての事で、手探りで進めておりますので、見守っていてください。そして、頼りなさそうな場面があれば、どこかで力を貸してくださいませ。

それから、つなぐ光は、昨年の3月18日に立ち上げたましたので、本日で、「丸1年」を運営することができました。

この1年、様々な想いがありましたが、特に東北の現地で活動しているNPOの大変さを感じて、我々も「休日なし」でやりたいと決めました。

無事に、本日までお休み無しで働くことができましたのは、多くの方のサポートがあってこそでしたので、あらためて感謝しております。

ということで、明日は、1周年記念日となりますが、初めての完全休日とさせていただきます。
ようやく、「ふ~」、という気持ちです。^^;

ありがとうございます。

ーーーーーここまで。

これを読んだら、

ありがとうございます。
ごめんなさい。
許してね
愛している

・・が出てきました。


ところでー

今からちょっと前に、東京平和映画祭の実行委員会が終わりました。今年で第9回になる東京平和映画祭は7月1日、オリンピックセンター大ホールでの開催が決定し、いよいよラインナップも決まってきました。正式に決定したら、発表しますね。テーマは今年も原発です。映画が好きで、原発に関心がある方は、ぜひカレンダーに印をつけて、この日を空けておいて下さいね。



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5 件のコメント:

こうのせまりこ さんのコメント...

感動しました。1年間本当にありがとうございました。つなぐ光のみなさまを心から尊敬します。同じ日本人としてあなた方のことが誇らしいです。福島から避難されたみなさん、そして今なお福島で苦しんでおられるみなさんのために何もしてこなかった自分を恥じます。だけどつなぐ光のみなさんの心のうちを聴いて、打たれました。そのことがこれからの私の生き方に大きく影響を与えるでしょう。心から感謝です。

神瀬麻里子(こうのせまりこ)in大阪

Yumi Kikuchi さんのコメント...

こうのせまりこさん、どうもありがとうございます。この暖かいコメントが、また「つなぐ光」を担う私たちの励みになります。放射能汚染地域(どんどん広がっている)子どもたちを保養、避難させることが本格的に始まるのはこれからなので(放射能汚染の被害が目に見えて一般の人にも理解できるようになるには、チェルノブイリでは3年以上の月日が必要だった)、おそらく私の生きている間はずっと続く活動だと思います。なので、まりこさんもつながっていてくださいね〜。感謝!

こうのせまりこ さんのコメント...

ゆみさん、おはよう。あれから1年が経つというのに、復興は全然進まない。住む場所、仕事、こどもの命そして自分の命。人々の悲しみは癒されない。

なんのために私は税金を払ってきたのか?なんのために政治家がいて国会議事堂があるのか?なんのための国家予算なのか?良くわからない毎日。そんな中でも私は生きていくしかない。くじけそうになる。被災しなかった大阪にいる私でさえ。被災された方家族や生活を奪われた方の心中はいかばかりか。

Twitterで「昔こわいものと言えば、地震雷火事おやじだったけど、今は地震原発国津波です」とつぶやいてらっしゃる被災者がおられた。まさに!!地震や津波もこわいけど、私は無策な国と原発がもっとこわい。原発よりこわいのが、この日本という国かも。

そんな中、命をかけてがんばっておられる方がいる。ゆみさんのブログに大きな大きな勇気をもらいました。県という大きな船のひと回り外側で、うまく泳げていない方をレスキューする「小さなボート」!!政治とか国ができないことをやっているみなさんはすばらしいです。

すばらしい動きをされている国民がいる。こわいのは「国」ではなくて「この国の船長さんたち」ですね。長くなってごめんね。

神瀬麻里子

是々非々 さんのコメント...

広めてください。拡散してください。その沖縄県の上空を通過する形で、あの国が「衛星」と称するミサイルを撃ち込もうとしています。日本政府は迎撃態勢をとる方向で検討中とのことです。発信力のあるこのブログで、あの国に発射を思いとどまるよう呼びかけてくださいませんか。仮に米軍や自衛隊が同じことをしたら、あなたは敏感に反応するはずです。「つなぐ光」を存続させたいです。

Yumi Kikuchi さんのコメント...

是々非々さん、これですね。http://mainichi.jp/select/world/news/20120320ddm002030112000c.html
もちろん、軍事行動は演習でも威嚇でも実践でも私は反対です。地球を汚す、壊す、いのちを奪う可能性があるからです。このブログに書いて北朝鮮のミサイルが止まるほど影響力があったら、どんなにいいでしょうね。残念ながら、発信力はそんなにないですよ。

国民が満足に食べる事すらできないのに、軍事力だけが肥大な北朝鮮や一部のアフリカ諸国などの国民は本当にどうしたらいいのでしょうか。軍事独裁だから歯向かえばいのちはないし。